こんにちは。みにまるです。
今回の記事では所得税の計算問題の解き方について説明して参ります。例年のFP1級学科試験応用編のタックス分野(大問第3問)では所得税の計算問題と法人税の別表四の問題の2パターンが交互くらいの間隔で出題されていましたが、2022年5月試験では法人税の別表四の問題と個人の所得税の計算問題の両方が出題されました。
どっちかにヤマを張るのは危険です。個人と法人、どちらの計算問題もできるようにしておきましょう。
所得税の計算問題の流れ
事業所得、所得税の計算問題の解き方には「大枠の流れ」があり、流れの中でポイントとなる注意点に気をつければ間違えずに解けるようになります。まずこの「流れ」を意識してください。
まず事業所得や給与所得、不動産所得、一時所得など各所得の金額を計算します。それらを損益通算後「総所得金額」を出します。(総合課税の所得のみ合算)
総所得金額から所得控除をひいて、課税総所得金額を算出します。
一時所得、雑所得の注意点
損益通算の注意点
損益通算して総所得金額を正確に出せればあとは課税総所得金額から算出所得税を計算するだけです。お疲れ様でした。
申告納税額まで計算させる問題もありますが、配当控除や住宅ローン控除など税額控除に注意しましょう。
配当控除
配当控除:(課税総所得金額ー配当所得)が1,000万円以下の部分 配当所得×10%
(課税総所得金額ー配当所得)が1,000万円超の部分 配当所得×5%
※住民税の配当控除では配当所得×2.8%(1.4%)
住宅ローン控除(22年改正後)
住宅ローン控除は22年に大きく法改正されています。適用要件の所得制限が2000万円以下になっていたり控除率が0.7%になっているの要注意です。
出典:きんざい合格ターゲット22-23年度版
住民税の住宅ローン控除額の控除上限の9.75万円(昨年度までは13.65万円)も過去の応用編の穴埋めで出題歴があるので一応覚えておきましょう。(かなり細かいですが…)
過去問解説
では近年の実際の過去問を見ていきましょう。
補足 非事業的規模の不動産所得と事業所得両方がある場合について
FP1級の応用編では不動産所得と事業所得が両方ある場合、不動産所得は赤字であるケースが多いです。そのため、青色申告特別控除は本来原則的には、「不動産所得」→「事業所得」の順に控除します。また事業所得が65万円控除の要件を満たしている場合は不動産所得が非事業的規模でも最大65万円控除が可能です。
No.2072 青色申告特別控除|国税庁
事業所得と不動産所得がある場合の青色申告。1室でも65万円控除?
作問の都合上か、不動産所得から青色申告特別控除額を控除する問題は過去出ていません。なのであまり気にしなくても良いかもしれませんが、基礎編で正誤問題でひっかけがあるかもしれないので、原則は知っておいた方が良いと思います。