こんにちは。みにまるです。FP1級学科試験金融分野の応用編の計算問題でよく出てくる「損益分岐点比率」「限界利益率」の計算問題について解説して参ります。
損益分岐点分析とは
そもそも損益分岐点って何?という話から管理会計の意義について簡単にスライドにまとめました。よろしければご参照ください。
スライドのPDFもダウンロードいただけます。(引用される場合には必ず出典リンクを貼ってください)
損益分岐点について
損益分岐点とは損も利益もないトントンの時のことです。その損益分岐点売上高は固定費/限界利益率で算出できます。
損益分岐点比率の問題の解法1
問56 損益分岐点比率 2021年9月 応用編 |FP1級ドットコム
解き方のポイント
とりあえず最初に損益分岐点比率の定義式を書いてみよう!分子分母の中身をどんどん噛み砕いて言い換えていくと、説例のX社のデータが代入できるよね。
損益分岐点比率の定義式を書いて、X社のデータ(損益計算書)の項目を使って表現する!(式変形)
変動費=売上原価、固定費=販管費と仮定した場合、損益分岐点比率=販管費/売上総利益×100で表せます。営業利益=売上総利益-販管費であることを損益計算書の各利益の流れから思い出してください。
営業利益=売上総利益-販管費➡️固定費(販管費)=売上総利益-営業利益
売上高-売上原価=売上総利益
このように最終的にはX社のデータにある「売上総利益」と「営業利益」で損益分岐点比率が表現できました。ここでX社のデータを代入して計算すれば問題終了です。お疲れ様でした。
精選問題集の解説のように、損益分岐点売上高と限界利益率の段階でX社のデータを入力して割ってもいいんですけど、計算過程の小数点の処理などが面倒ですので上記のように最終的に直接数字を代入できるまで式を整理してから代入した方がスッキリしていると思います。
損益分岐点比率の問題の解法2
基礎編のタックス分野でも損益分岐点分析の問題は出題されます。
問33 損益分岐点分析 2019年9月学科試験|FP1級ドットコム
とりあえず変動費率αを出す。S=FC/(1-α) に数字を代入する。
損益分岐点売上高=固定費/限界利益率だから〜限界利益率を出して〜と丁寧にやってもいいんです。やってもいいんですが、S=FC/(1-α)、変動費率αで計算した方が圧倒的に速いです!
何故なら損益分岐点分析は経営改善のための分析です。固定費が増えた場合や変動費率が変化したときに、損益分岐点がどう動くかを見るので、変動費率αを基軸に分析した方が速いです。
お役に立ちましたら幸いです。
損益分岐点分析を何のためにやっているのか?イマイチイメージがわかないという方のために飲食店を例に分析の例を記事に書きました。
販売量云々はFP1級試験では問われないと思いますので、蛇足ですがご興味のある方は読んでみてください。
【管理会計】損益分岐点分析2( CVP分析) - みにまるメモ@FP1級勉強の記録はてなブログ版